おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2017年11月17日(金曜日)午前中小雨 昼前から曇りのち時々晴れ 夕方から晴れ

【One Coin 地域力 カフェ】
 平成29年度 第3回の“One Coin 地域力 カフェ”(主催:地域力共創推進コンソーシアム)が山形市内(山形市総合福祉センター3F 会議・研修室2)で開かれました。今回の概要について、主催者発表のものでご紹介します。

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《テーマ》
 移住者の活動を通して「山形とは」「地域とは」について考える

《話題提供者》
 吉田祐子さん(やまがたこどもアトリエ主宰)
  やまがたこどもアトリエ:https://www.facebook.com/yamagatakodomoatelier/

《内容》
 埼玉県出身の吉田祐子さんは、2012年春に東北芸術大学・大学院修了後も山形県に住み着き、鶴岡市や天童市をはじめ、県内各地で、絵を描いたり、モノを創ったりする活動を通して、地域の人たちとのつながりを築いてきました。現在は、創作活動とともに、天童市田麦野地区での活動や、子どもたちに創造的で豊かな放課後の居場所を提供する「やまがたこどもアトリエ」に取り組んでいるほか、さまざまな活動を県内各地で展開しています。
 今回は、吉田祐子さんの活動に触れて、一緒に「山形とは」「地域とは」について考えてみませんか。

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 吉田祐子さんを話題提供者に推薦したのは私(山口)です。それは吉田さんの活動が地元新聞に掲載されたことがきっかけです。
 吉田祐子さんとの交流は10年ほど続いています。だから吉田さんの活動は承知しているつもりでした。しかし、新聞記事を拝見して、あらためて多岐にわたる吉田さんの凄さに感心したところです。そして思ったのは、吉田さんが話題提供者として相応しいということです。新聞は文字による情報伝達です。今度は吉田さん自身から伝えることができれば、と思ったのです。吉田さんの活動内容が豊富であること、それを支える吉田さんの思いは、講演として考えても十分すぎます。
 吉田さんとは今年の春から話し合いを続けました。吉田さんは快く引き受けてくださいました。ただ、お忙しい吉田さんです。日程を11月に設定しました。実はきょう(11月17日)も仕事がある中、調整していただき、実現にこぎ着けたのであります。

 10月には、天童市内で事前打ち合わせを行いました。
 そこで気付いたのが、吉田さんの活動は「地域づくり」活動ではないことです。山形という地が好きになり、自分の思いを大切にして、しかも相手のことを考えながら、活動し続けています。その結果、多くの人とつながりました。そして、地域の中で新たなものが生まれました。
 例えば、田麦野では地域の中での展覧会が実現しました。鶴岡では、子どもたちとその親御さんだけでなく、地域の人たちとの活動につながりました。

 事前打ち合わせでは、話題提供の進め方についても協議しました。
 そして、当日を迎えました。

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※:右の写真は主催者提供です。

 参加者は10名ほどです。講演の経験がない吉田さんは「ちょうど良い人数でした。これが大人数だと緊張してしまいます」と言いました。話題提供者には「自分の思いを伝える経験していただく」という意味があると思っています。そういう意味で、吉田さんにとっても良い機会ではないか、と勝手に思っております。

 今回の話題提供は、吉田さんと私による対談形式で行うことになりました。私のインタビューに吉田さんが答える形です。私の記憶では“One Coin 地域力 カフェ”としては初めての試みです。
 これは吉田さんからのリクエストによるものです。これも吉田さんの正直な思いです。与えられた時間を無視してしまう講演者がいることを思うと、とても好感がもてます。一方で、私は責任重大です。時間配分を考え、吉田さんと協議しながら、事前にシナリオ概要を作成しました。

 内容は、出身地の紹介に始まり、子ども時代の様子、東北芸術工科大学に入学するきっかけ、大学時代の活動、大学院修了後の(現在の)活動、これからのこと、吉田さんにとっての山形、などです。
 あとは、話の内容で、臨機応変に質問しました。例えば、大学時代の天童市田麦野での活動について、企画・計画を立案する時の様子です。答えは、吉田さんたち自らが、夜遅くまで話し合ったそうです。

 吉田さんは、子どもの頃から自然の中で遊びました。都会への憧れはほとんど無く、高校生の時に東北芸術工科大学を見学した時には「自分は必ずここにいるだろう」と思ったそうです。
 大学時代、田麦野を舞台にした地域との関わりをテーマにした活動が始まります。それは吉田さんにとって、この上ない活動でした。だから、吉田さんは地域の人たちとのつながりを築くことに努めました。一軒一軒まわったり、お茶会を開いたりしました。地域の人たちが吉田さんたちを理解した瞬間、一気に交流が深まりました。今では地域の人たちが吉田さんの住まいまで世話をする関係です。
 それは鶴岡でも同じです。だから“やまがたこどもアトリエ”が展開できたのです。

 吉田さんは“やまがたこどもアトリエ”などの活動を映像を使って紹介しました。米沢での“子供アートイベント”も紹介されました。私は、そうした活動で感じたことを話してもらうことに心がけました。

 吉田さんは、放課後学童クラブの支援員としても活動しています。
 それらの活動から吉田さんは、今の子どもたちについて話されました。それは「遊びを知らない子どもたち」「遊ばない子どもたち」です。今の子どもたちはあまりにも忙しいです。親からは次から次へと「・・・しなさい」が出ます。しかも「失敗は許さない」ことが伝えられます。
 であれば、子どもたちは「親から言われたことをすれば良い」となります。
 失敗を恐れますので、余計なことはしません。
 子どもならではの発想なんて、あり得なくなります。
 この問題は奥が深いです。親だけではありません。そもそも社会全体の問題であります。私たちひとり一人にも関わる問題です。子どもたちの自由な遊びを制限する人たちがいます。保育園設置に反対する地域住民です。

 そう考えた時、子どもたちに遊びの体験を提供している吉田さんたちの活動は貴重です。
 ここで考えたいのは、自分たちができることを大切にしていることです。だから長続きします。そして地域の人たちとのつながりが深まります。地域の人たちとのつながりが深まることは、活動運営にも寄与します。ギブアンドテイクの関係が構築されるからです。

 「大学を卒業した人たちのその後」という視点でも、吉田さんの活動は注目です。
 今の学生さんは就活が大変だそうです。しかし、就活も大変なら、就職後も大変と思われます。なぜなら、就職することの本来の意味を見失った就活だからです。

 参加者から「普段聞けない話を聞くことができてよかった」などの感想がありました。それは、こうしたことが話題になったからと思われます。

 なお、「山口さんの進行が良かった」という感想もあり、嬉しくなりました。もっとも、私がスムーズに司会・進行できるのは当たり前であります。これからも勉強するのみです。
 これからの“One Coin 地域力 カフェ”を考える時、今回のような対話形式もあり、ということを実証できたような気がしました。


=========== 主催者案内 ===========

●「地域力共創推進コンソーシアム」情報
   http://www.sk-solutions.org/activity/kyoso.html
●主催団体:地域力共創推進コンソーシアム(RPCC)は次の団体、個人で構成されております。
   SKソリューションズ ( 代表 黒沼 貞志)
       掲載URL:http://www.sk-solutions.org/
   AISOHO企業組合 (代表理事 菅野 美奈子)
       URL: http://www.aisoho.jp/soho/
   おきたまラジオNPOセンター (代表 山口 充夫)
       URL: http://homepage.mac.com/okitama_radio/top.html
   サポーターズ(地域力倶楽部会員、その他)

 

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