おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2017年12月30日(土曜日 昼前から曇り一時差す

【ひとりごとダイアリーこの1年】
 1月下旬、家族が突然入院しました。入院は1ヶ月以上にわたりました。手術室に入る家族を見送る時の心情は、1年近く経った今でも忘れません。家族の大切さ・家族の絆をヒシヒシと感じた1年でした。

 今年は障がい者雇用に関しても考えさせられる1年でした。
 この秋、山形県での障がい者の雇用率が基準を超えた・・・という報道がありました。
 障がい者雇用には“法定雇用率”という基準があります。法定雇用率とは、民間企業、国、地方公共団体は「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、それぞれの割合(法定雇用率)に相当する数以上の障害者を雇用しなければならないこと・・・とされているものです。例えば、一般の民間企業(50人以上規模の企業)では2.0%です。(なお、この基準は見直しされます)
 厚生労働省の発表では、山形県の障がい者雇用率は2.03%です。
 この数字だけみますと、企業での障がい者雇用が進んでいるように見えます。労働基準局も「企業の理解が進んだため」と分析しています。
 しかし、現実には・・・
 ある障がい者福祉に取り組むNPO関係者は「就職・退職を繰り替えず障がい者がいます」と言います。生計のために就職するのですが、長続きしないのです。これで「理解が進んだ」と言えるのでしょうか。
 ハローワークが「障がい者雇用に於ける優良企業」と評価する企業でも、雇用した障がい者を苦しめてきた実態を知りました。障がい者を1人の人間として(人権を尊重して)対応すれば良いのに、まるで子ども扱いのような対応をしていたのです。
 障がい者雇用に於けるサポート体制の不備も感じました。
 数字だけでは評価できないことを実感しました。

 数字だけでは・・・に関して、東日本大震災と原発事故に伴い、米沢などへ避難した人たちに対する支援においても、考えてしまうことがありました。
 米沢における避難者数はピークで3,895人です。それが2017年12月7日現在は476人です。ピークの12%です。大半が米沢から離れたことになります。この数字からでしょうか、避難者支援をマイノリティに捉えているのではないか、と思われる発言を聞いたのです。
 まず申し上げたいのは、いまだに476人の人たちが大変な思いを背負いながら米沢で避難生活を送っているという実態です。しかも、「いつまでも避難者とは言っていられない」とか「避難者と見られたくない」「避難者であることを知られたくない」という避難者は少なくありません。つまり、ますます肩身の狭い思いでいるのです。
 しかも、福島県は今年3月で、住宅の無償支援を打ち切ってしまいました。さらに、福島県が言う「4月からの新たな支援策」を受けるための手続きでも、疑問に感じる現象が起きました。煩雑な手続き、福島県へ申請したのに放置されていたことなど、次から次にと憤りすら感じることが起きました。
 さて、米沢から離れた人たちですが、実は多くの人たちが不本意ながら福島へ帰還したのであります。それは、家族との関係、経済的問題など非常に難しい背景によるものです。
 さらにその背景は、実態が隠されている問題があります。先日も福島で活動している人からの話を聞きました。それによりますと、放射線については、とても安心できる状態ではないそうです。そうなれば、お子さんを抱える人たちは、とても福島へ帰還する気にはなりません。
 こうした実態を知りますと、とても数字だけで判断することはできません。
 いまだに福島へ帰還を考えない人たちこそ、最も福島を愛している人たちであります。

 今年は「本当の復興とは何か」を自問自答しながら活動した1年でした。
 そんな中、「どうして福島県知事は避難者と向き合おうとしないのか」ということを感じる1年でもありました。避難者と腹を割って話せば、理解が進むことでしょう。それこそ“対話”です。しかし、残念ながら福島県知事は「担当者まかせ」です。先にもご紹介しましたが、避難者は福島県民なのです。
 このようなことを申し上げますと、波紋を呼ぶかもしれませんが、避難者と接する私としては、今年を振り返るにあたり、どうしてもお伝えしたいことです。

 今年も福島県浜通りの被災地を何度も訪問しました。それで感じるのは、表面の復興は進むも、真実が覆い被されていくことへの懸念です。言い換えますと、避難者との距離がますます大きくなっていることです。分断が進んでいるとも言えます。
 今年は浪江町の一部で避難の規制が解除されました。中心市街地も住むことができるようになりました。しかし、現地を見ますと、とても生活できる状況ではありません。住む人のほとんどは町の職員です。その町職員も葛藤だそうです。

 NPOについて振り返ります。
 1月21日、南陽市のNPO法人からの招きで、「生き方」をテーマに講演を行いました。講演にあたり、私自身のこれまでの生き方を振り返りました。それで思ったのは、私の活動の原動力は、5歳頃にあったある出来事によるものであることです。その出来事とは、いまでも憤りをおぼえるものです。だから、本当の意味での「人とのつながり」を大切にするのです。講演は私にとっても良い勉強になりました。南陽市のNPO法人に感謝です。
 そのNPO法人の理事・Iさんが今年突然亡くなりました。Iさんとは、私がそのNPO法人の立ち上げをサポートしている時からの付き合いです。Iさんが作る石窯ピザの味を忘れることはできません。
 され、今年のNPO業界は、私の目からは低調というしかありません。そんな中、今年もNPOに於ける不祥事のニュースが伝わりました。福島県からは南相馬市の認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)の不祥事が伝わり、ビックリしました。
 私が今年特に注目したのは、福島県郡山市で9月に開催された認定NPOサミットです。認定NPO法人制度に少なからず疑問を持つ私にとって、認定NPOの善し悪しを語り合うサミット開催は非常に関心がありました。出席した認定NPO法人の多くが「認定を取得して良かった」と言っていましたが、それは日常の活動がきちんとしているからでしょう。さらに突っ込んだ議論が必要と思いました。
 山形県内のある認定NPO法人では、会計のことを理解していないと判断できる決算書を提出しているところがありました。

 NPO関連で、今年は“地域おこし協力隊”についても考えることが多かった1年です。
 もちろん、大半の“地域おこし協力隊”の人たちは、それぞれの地域でがんばっており、成果を出していることと思います。しかし、一方では、地域のしがらみや業務の縛りで苦労していることなどが伝わってきました。
 まちづくりに関するミーティングで同席した地域おこし協力隊の方が、ほとんど発言しなかったことがありました。それとも発言できなかったのでしょうか。
  地域おこし協力隊の方が中心となって立ち上げたNPO法人が開いた講演会が非公開となりました。NPOの趣旨を理解しているのかな?・・・と感じました。
 12月10日、川西町で企業組合をテーマした講座が開かれました。その講座で事例発表したのが金山町で“谷口がっこそば”を運営している企業組合のHさんでした。それから約4時間後“谷口がっこそば”が焼失しました。Hさんは金山町の地域おこし協力隊です。

 だがしや楽校では、11月18日・19日に福島県棚倉町で開催された“だがしや楽校楽縁祭”を11月19日に取材しました。全国のだがしや楽校仲間が集う貴重な機会であり、私も数多くの人たちと久々の再会を果たすことができました。とても良かったです。
 ただ、全国の仲間が集うことは希であり、それぞれに地域で、それぞれのやり方で取り組むのが“だがしや楽校”であります。そういう意味では、山形県だけでも、米沢・鶴岡・山形・天童・東根など各地でだがしや楽校が開かれています。
 8月に山形県飯豊町で開催された中学生ボランティアを育成するセミナーに“だがしや楽校”が活かされたことも良かったです。
 “だがしや楽校”から波及した取り組みも展開しています。5月5日は“第3回置賜子どもアートイベント”が米沢市で、5月21日は第6回 うたうべねットやまがた 2017が山形市で開催されました。10月21日の山王ナイトバザール(鶴岡市)では東京・杉並の方が初めて見学に訪れました。
 8月10日、カバゴン先生こと教育評論家の阿部進さんが亡くなりました。“だがしや楽校”をこよなく愛されました。

 山形県南陽市出身のシンガー・ソングライター:丹波恵子さん。今年は自身のコンサートはできませんでした。でも、米沢市のコミュニティFM“エフエムNCV・おきたまGO!”で放送中の“扉を開いてハイタッチ”が、4月より月1回から隔週の30分に放送枠が増えました。とても嬉しいことです。
 “おきたまGO!”では、私が紹介した音訳活動を行う高畠町の押切さんが10月、ゲストトークへの出演を果たしました。ラジオで押切さんの朗読が流れないかな・・・と願っています。

 ラジオ界では、NHKと民放連(日本民間放送連盟)の共同ラジオキャンペーン“スマラー”が10月1日から2018年3月まで展開中です。スマホ利用者にラジオの魅力を伝えるキャンペーンです。これはラジオ業界の危機感の表れ、とも言えます。
 TBSラジオが「2018年よりプロ野球ナイター中継を取りやめる」と発表しました。最近は形骸化している印象もある民放ラジオのナイター中継。なぜなら、特に地方局ですが、優勝にからむ試合が放送されないからです。地方局は曜日によって、TBSかニッポン放送からの中継を流していますが、TBSラジオが取りやめることで、どうなるのでしょうか。

 子どもたちを取り囲む環境はますます厳しいです。「現代の子どもたちは塾や習い事で忙しい」と言われて久しいのですが、改善しようという動きは僅かで、大きな流れは変わりません。大きな問題です。こうした子どもたちが年齢を重ねると・・・と思うと、もはや危機的状況と言えます。
 親同伴・教授同伴でないと動けない大学生。
 保守化する大学生も気になります。それが信条・信念に基づくものなら良いのですが、面倒臭いことを嫌がることが背景とすれば、問題です。
 とにかく子どもたちには伸び伸びと遊んでいただきたいです。

 今年の天気を振り返る時に、真っ先に思い出すのは“平成29年7月九州北部豪雨”です。福岡県朝倉市では『猛烈な雨』が約9時間にわたり降り続きました。
 多くの人が今年は「不順な夏だった」と言います。東北地方の北部と南部では梅雨明け時期を特定できませんでした。
 沖縄・奄美地方では夏から秋、記録的高温でした。
 そして年末、冬の訪れが早く、すでに大雪になったところもあります。

 今年の音楽(洋楽)界の振り返りです。
 まず、Billboard Hot 100 の年間チャートです。 

1位:Shape Of You / Ed Sheeran
2位:Despacito / Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber
3位:That's What I Like / Bruno Mars
4位:Humble. / Kendrick Lamar
5位:Something Just Like This / The Chainsmokers & Coldplay
6位:Bad And Boujee / Migos Featuring Lil Uzi Vert
7位:Closer / The Chainsmokers Featuring Halsey
8位:Body Like A Back Road / Sam Hunt
9位:Believer / Imagine Dragons
10位:Congratulations / Post Malone Featuring Quavo

 Billboard 200 の年間チャートです。
1位:DAMN. / Kendrick Lamar
2位:24K Magic / Bruno Mars
3位:Starboy / The Weeknd
4位:÷ (Divide) / Ed Sheeran
5位:More Life / Drake
6位:Moana / Soundtrack
7位:Stoney / Post Malone
8位:Culture / Migos
9位:Hamilton: An American Musical / Original Broadway Cast Recording
10位:4 Your Eyez Only / J. Cole

 UKシングルチャートの年間チャートです。
1位:Shape Of You / ED SHEERAN
2位:Despacito (Remix) / LUIS FONSI/DADDY YANKEE/BIEBER
3位:Castle On The Hill / Ed Sheeran
4位:Unforgettable / FRENCH MONTANA FT SWAE LEE
5位:Galway Girl / ED SHEERAN
6位:Perfect / ED SHEERAN
7位:Symphony / CLEAN BANDIT FT ZARA LARSSON
8位:Human / RAG'N'BONE MAN
9位:Something Just Like This / CHAINSMOKERS & COLDPLAY
10位:You Don't Know Me / JAX JONES FT RAYE

 UKアルバムチャートの年間チャートです。
1位:Divide / ED SHEERAN
2位:Human / RAG'N'BONE MAN
3位:The Thrill Of It All / SAM SMITH
4位:Glory Days / LITTLE MIX
5位:Beautiful TRAUMA / PINK
6位:x / ED SHEERAN
7位:Together Again / MICHAEL BALL & ALFIE BOE
8位:More Life / DRAKE
9位:As You Were / LIAM GALLAGHER
10位:Gang Signs & Prayer / STORMZY

 今年は2つの大きなトピックがありました。
 その1つが第2位である“Despacito”の突然の世界的大ヒットです。Billboard Hot 100 では連続16週の第1位です。これは歴代1位タイです。歴史的大ヒットです。財政危機にあるプエルトリコからのヒットです。
 もう1つが、第1位のエド・シーランです。年明けにリリースされた“Shape Of You”に続きアルバムも大ヒット。年間を通して、エド・シーランの名前が途絶えることはありませんでした。
 今年は“Featuring・・・”曲がますます多くなりました。DJが複数のアーティストをフィーチャーするケースもありました。
 私が選んだ今年の1曲は“1-800-273-8255 / Logic Featuring Alessia Cara & Khalid”です。この曲は、いつ聴いても胸が詰まります。それは、10月31日に発覚した神奈川県座間市の9遺体事件と“自殺”というキーワードでリンクするからです。
 アリアナ・グランデのコンサートで自爆テロが起きました。5月22日、マンチェスター・アリーナでのことです。22人が犠牲になりました。
 10月1日、アメリカ・ラスヴェガスにて行われていたカントリー音楽のコンサート“Route 91 Harvest”で銃乱射事件が発生し、58人が死亡しました。
 ロンドン西部のマンションタワー火災“Grenfell Tower fire”(6月14日発生)では70人が死亡しました。この火災を受けて、イギリスではチャリティソング“Bridge Over Troubled Water / Artists For Grenfell”が発表されました。
 ジョン・ウェットン、アル・ジャロウ、リオン・ウェア、J・ガイルズ、グレッグ・オールマン、チェスター・ベニントン(リンキン・パーク)、グレン・キャンベル、ウォルター・ベッカー、トム・ペティ、ファッツ・ドミノ、マルコム・ヤング、ジョニー・アリディが亡くなりました。 

 

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