おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2018年11月4日(日曜日)朝 午前10時頃から晴れ 夕方から時々晴れ 夕方場所により一時小雨

【はじめや50周年記念だがしや楽校】
 山形市の駄菓子屋“はじめや”がお店を開いて、今年(2018年)で50周年を迎えました。
 そこで、“だがしや楽校”発祥の地と言われる“はじめや”に隣接する山形市のみなみ公園にて“はじめや50周年記念だがしや楽校”が開かれました。
 はじめに、開催趣旨とチラシをご紹介します。

はじめや50周年記念だがしや楽校

 山形市の駄菓子屋“はじめや”さんがお店を開いて50周年となりました。
そこで“はじめや”のおばちゃんに感謝を込めて、だがしや楽校を開きます。
子どもも大人も世代を越えて、気軽に楽しく遊べるのが“だがしや楽校”です。
皆さんのお越しをお待ちしています。

いつやるの?(開催日時)
2018年11月4日(日曜日)午後2時〜午後4時

どこでやるの(開催場所)
山形市の駄菓子屋“はじめや”さん前・みなみ公園
“はじめや”さんの住所:山形市南一番町8ー28

どんなことをやるの?
こちらのチラシをご覧ください

主催:はじめや50周年記念だがしや楽校実行委員会

 今から50年前と言えば、私(山口)は高校生です。想像もつきません。一方で、当時ヒットしていた曲(私の場合は洋楽です)は、昨日のようにおぼえています。時間感覚の不思議さです。

 私が“だがしや楽校”と出会ったのは2004年です。それから14年です。14年も、長いような・短いような気分です。
 10年前の“はじめや40周年記念”のことも、つい最近のようにおぼえています。しかし、この10年間で、「子どもたちを取り巻く環境は大きく変わり、子どもたちの様子も変わりました」とおばちゃんは言います。

 おばちゃん・・・駄菓子屋“はじめや”の山川昭子さんのことです。今年(2018年)のはじめ、NHK総合テレビで2回にわたり、全国向けに放送されました。子どもたちと本音で接するおばちゃんの姿に、そういう大人が少ない現代において、大きな反響がありました。
 おばちゃんは、「50周年を機会に店を閉めよう」と思っていましたが、反響の大きさや、かつて“はじめや”に来ていた人たちからの励まして、お店を続けることにしました。

 “だがしや楽校”仲間の皆さんも、Ishiさん(中山町)とYoshiさん(天童市)が中心となって、50周年を祝うイベントを企画しました。こうして開催されたのが“はじめや50周年記念だがしや楽校”です。
 山形県の“だがしや楽校”仲間の皆さんが集うのも久々で、それだけでもワクワクします。

 幸い天気にも恵まれました。11月に入りましたが、寒くもなく、絶好の“だがしや楽校”日和になりました。それでは、“はじめや50周年記念だがしや楽校”を写真でご紹介します。

 みなみ公園の木々は、紅葉が見頃です。美しく色づいています。

 午後2時、おみせを出す人が集まってのミーティングです。その脇では、Okiさん(大江町)が芋焼きの準備をしています。“じゃがバター”はとても美味しかったです。

  

 そのOkiさんのブーメランのおみせは、きょうも大人気です。紙で作ったブーメランですが、見事に飛びます。

  

 紅葉の下、思いのほか多くの子どもたちがやって来ました。

 こちらは芸工大学生さんによる“ぺたぺたの森”というおみせです。

  

 木材を利用したおみせです。自分で作ったイスに座るお子さん、出来上がりに「やったー!」両手を挙げるお子さんなど、大盛り上がりです。

  

 Ishiさんのおみせは“じっけん!カオはめパネルをつくろう”です。私も顔で遊ばれてしまいました。

  

 地面は落ち葉がいっぱいです。その落ち葉を利用して・・・

 RikuさんとKondさん(山形市)による楽描きのおみせです。なんだか懐かしくなりました。

  

 みんなで描いて出来上がったのが、下の写真です。落ち葉も散りばめられた立体的作品です。

 Ashiさん(天童市)のパステルのおみせも大人気です。紅葉に負けないきれいなパステル画が描かれていました。

  

 鶴岡市のAbeさんのおみせは、お馴染みプラバンと缶詰でご飯を作るサバイバルおみせです。

  

 終わりの午後4時になり、日は陰りましたが、まだまだにぎやかです。

 多くの子どもたちや大人たちが集い、とても良い雰囲気でした。やっぱり“だがしや楽校”は楽しいです。そして、懐かしさも感じました。 

 夜は、近くの公民館で、はじめやのおばちゃんを囲んでの、“だがしや楽校”仲間による50周年祝賀会(手作り懇親会)です。みんなで乾杯したあと、おばちゃんから、50年を振り返って話がありました。

  

 おばちゃんには“だがしや楽校”仲間の皆さんからの寄せ書き、花束、記念品が贈られました。丹波恵子さん(山形市のシンガー・ソングライター)からは歌のプレゼントがありました。 

  

 鶴岡市のAbeさんのお子さんがおばちゃんとハグするシーン(右の写真)は感動的でした。

 それでは最後に、おばちゃんの話から抜粋してご紹介します。
 ここに、私たちが忘れている子どもたちとの接し方、それだけでななく、人と人との接し方のヒントがあります。心して読んでいただきたいと思います。

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 お店を始めたきっかけは、子育てしながら出来る仕事はないかな、と思ったからです。
 今でも、やりたいことをやっています。子どもたちに合わせてやっています。

 子どもが悪いことをすると、おばちゃんは「来んな!」と言います。しかし、次の日その子どもは店(はじめや)に来ます。おばちゃんが「昨日『来んな』って言ったべ」と言うと、その子どもは「おばちゃんに叱られたいの」と言います。今の親は、子どもを叱りません。現代は愛情に飢えている子どもが多いです。
 最近、何十年ぶりとか久しぶりに来る人が多いです。(今年のはじめ)NHKテレビで放送されたことで、「まだやっている」とわかり、来てくれる人も多いです。

 親とケンカした子どもが夜、店(はじめや)に来ました。その子は、おばちゃんにパンと牛乳をもらって、近くの公民館の軒下スペースで一晩を過ごしました。数年前ですが、その子が大人になり、奥さんと子どもさんを連れて、御礼に来ました。今は首都圏に住んでおり、なかなか来られなかったのですが、あの時のおばちゃんの心遣いが忘れなくて、来たそうです。それから、毎年お正月に来るようになりました。
 おばちゃん自身は、パンと牛乳をあげたことなど、おぼえていません。それは何気ないことであり、子どもとの自然な関わりです。そういう子どもがたくさんいました。

 髪を七色に染めた中学・高校生が店に来たこともあります。その時、おばちゃんは「すんな(やめなさい)」とは言いませんでした。なぜなら、できるのは今だけだからです。だから「もっとやれ」と言います。でも、「学校が始まったら、ちゃんとしろよ」とも言います。そうすると、そのとおりにします。多くの大人はすぐに「やめろ」と言いますが、おばちゃんは違います。

 今は小学校でも「あれすんな、これすんな」(校則)ばかりです。それで、校長へ「なになんだ!」と文句を言ったことがあります。
 ある日は「○年○組の先生が子どもに『はじめやに行って悪い』と言ったでないか」と言いに行ったこともあります。校長だろうと教頭だろうと、遠慮なく言います。
 しかし、NHKテレビで放送されたことで、学校から「これほど子どもたちがおばちゃんからお世話になっているとは思っていませんでした」と言われました。

 子どもたちはお店で宿題をしていました。ところが、子どもたちは宿題を持ってこなくなりました。おばちゃんが子どもたちに聞くと、子どもたちは「先生から『はじめやで宿題書くな』と言われたから」と言います。おばちゃん、学校に行き「なんでだ!」と文句言ってきました。みんなと一緒に宿題するから良いのではないか、とおばちゃんは思います。それで学校に「小馬鹿臭いことばかり言ってんな!」と文句言いました。職員全員に聞こえるよう、大きな声で・・・。
 

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