おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2019年(平成31年)4月8日(月曜日)東北地方南部の天気:晴れ薄雲浮かぶ 夜は曇りで場所により一時

【浪江・南相馬訪問記(桜写真)】
 福島県の浪江町と南相馬市を訪ねました。昨年(2018年)11月以来の訪問です。

 きょう(4月8日)は飯舘村経由で行きました。
 下の写真は飯舘村草野大後での撮影です。写真左の中央を拡大しますと、軽トラックの運転席に男性が見えます。道具もあります。先程まで作業していました。このあたり、昨年はヒマワリが植えられていました。でも、近くは写真右のとおりです。

  

 下の写真は飯舘村草野目玉打での撮影です。ご覧のとおりです。

  

 浪江町に向かいます。
 このあとの6枚の写真は、請戸川沿い(浪江町権現堂下川原)での撮影です。

  

 桜はほぼ満開です。今年から夜はライトアップされています。

  

 河川敷は草木が除去され、きれいになっています。4月6日の夜、ここで花火大会が開催されました。河川敷では、花火大会の関係者でしょうか、ゴミ拾いしていました。

  

 下の写真は、浪江町役場です。桜をはじめ、花々が美しく咲いていました。

  

 このあとの4枚の写真は浪江町営大平山霊園の駐車場(浪江町請戸日向、浪江町請戸北舘ノ内)などで撮影しました。
 下の写真は、請戸漁港を望んだものです。写真右のほぼ中央が請戸小学校です。きょう(4月8日)は海がよく見えます。

  

 下の2枚の写真は望遠撮影です。写真左には「環境省」「安藤ハザマ」の文字が見えます。写真右は請戸小学校です。請戸小学校は震災遺構にすべきか検討中です。

  

 浪江の市街地を巡って目に付いたのは、工事関係企業の拠点です。施設(建物)を利用しての拠点です。そこは、事務所だけでなく、作業員が寝泊まりしているようです。こうした拠点は「安藤ハザマ」以外にもありました。

 下の写真は宇宙桜です。1年前、なみえ創成小・中学校の子どもたちの手で植えられました。よく見ますと、数輪の花が咲いています。

  

 写真左は請戸川沿い(浪江町棚塩中舛倉)から撮影した福島第一原発です。福島第一原発までの距離は約7kmです。

  

 浪江町を移動中、もう1つ目に付いたのは、上の写真右の車両です。何度もすれ違いました。また、必ずと言っていいほど、複数台で走行していました。

 南相馬市小高区へ移動します。
 このあとの12枚の写真は相馬小高神社(南相馬市小高区小高城下)での撮影です。

  

 桜が満開です。まさに見頃です。

  

 さまざまなアングルで撮影しました。ご堪能いただければ幸いです。

  

 月曜日ですが、花見の人たちが次々に訪れていました。

  

 ここは相馬野馬追の3日目、野馬懸が行われる場所です。

  

 天気も良く、絶好の花見日和です。

  

 下の写真は、小高川沿いの桜並木です。

  

 小高の市街地では更地が目立ちます。下の写真左は、そのひとつです。2階建て住宅がありました。その近く(南相馬市小高区仲町2丁目)では、建物の解体が行われていました。ある会社の建物です。そんなに痛んでいたとは思えなかったのですが、拠点を南相馬市原町区へ移転したことにより、8年目での解体です。後方は小高川沿いの桜並木です。

  

 昼になりました。小高駅前通りで、お昼をどこで食べるか検討します。
 小高でお昼を食べる場所、これまではラーメン屋さん(双葉食堂)、お寿司屋さん(浦島鮨)、お蕎麦屋さん(こごた)の3軒だけでした。「昼から寿司では・・・」という人もいますし、お蕎麦屋は少し離れた場所にありますし・・・というわけで、気軽に行けるのはラーメン屋さんだけでした。でも、毎日ラーメンでは、飽きる人もいるでしょう。私も昨年(2018年)は浪江町でお昼を食べることが多かったです。
 ところが、小高はこの数ヶ月間で激変しました。私が小高を訪問するようになって以来、これまで見たことがないような激変ぶりです。お昼を食べることができるお店が一気に4軒もオープンしたのです。この内、小高駅前通りの“小高浮舟ふれあい広場”近くに3軒です。3軒は近い距離にあります。“ダイナーポンズ”はお肉を中心にした食堂、“めざせ!殿様食堂”は定食もありますが、麺類が多いです。地元の高校生も利用しているようです。駅前通りから外れますが、郵便局近くの“叶や”は元旅館です。再び駅前通りに戻って、“更紗”もあります。さらに、小高浮舟ふれあい広場の真向かいにもオープンする予定の食堂があります。これで計8軒(現在は7軒)です。
 どこで食べるか、迷いました。めざせ殿様食堂にも入りましたが、食べたいものが売り切れていたことなどで、更紗にしました。下の写真が更紗です。メニューは写真のとおり4種類です。実は更紗は居酒屋として、すでにオープンしていたお店ですが、最近になってランチを始めました。

  

 お店に入ります。店内は意外に広いです。ゆったりできます。数人のお客さんがいます。注文します。同行者が「これまで居酒屋でやってきたからでしょう。手慣れた感じで調理しているように見えます」と言います。

  

 写真は出てきたランチです。ミートソースは手作りです。定食も美味しいです。ボリュームも結構あります。大満足です。
 お店の人に「いつからランチを」と聞きますと「昨年の12月からです」という答えでした。さらに「お昼を提供するお店が一気にできましたね」と聞きますと「激戦区です」という答えが返ってきました。お店の雰囲気も良かったです。柔軟に対応している様子もみられました。

 更紗は小高浮舟ふれあい広場の西側で駅前通りの南側です。更紗の真向かい、つまり駅前通りの北側にあるのが“小高交流センター”です。このあとの12枚の写真が小高交流センターです。

  

 上の写真左は更紗側から見た小高交流センターです。上の写真右は案内板です。小高交流センターのレイアウトがわかります。南相馬市のホームページにも見取り図が掲載されています。

  

 上の写真左は、めざせ!殿様食堂です。上の写真右で、手前はゆめ広場、建物の左側はカフェカミツレ、右側は小高マルシェです。

  

 上の写真左は小高マルシェから見たゆめ広場です。奥がめざせ!殿様食堂です。上の写真右は小高マルシェの紹介です。

  

 上の写真左で、手前は小高はらっぱですが、ただいま芝生育生中です。建物左側はあそびばラシクル(多世代交流施設)、建物右側には交流スペース・子育てサロン・チャレンジオフィスがあります。
 あそびばラシクルはコンサートなども開かれます。コンサート開催を知らないで遊びに来た子どもたちが遊べなかった・・・ということがあったそうです。運営上の課題です。
 上の写真右は、駐車場側(北側)から見たあそびばラシクル(多世代交流施設)です。

  

 上の写真左はあそびばラシクル(多世代交流施設)内部です。窓越しの撮影です。当初人工芝を敷くつもりはなかったそうです。
 上の写真右の右側があそびばラシクル(多世代交流施設)、左側は管理事務室・和室・エクササイズエリア・トレーニングエリア・多目的室が入っている建物です。通路は屋根付きです。

  

 上の写真左は多目的室です。
 上の写真右で紹介している呉服屋さんの場所に小高交流センターが造られました。
 なお、小高交流センターは月曜日で休館です。ただし、めざせ!殿様食堂は営業していました。

 小高交流センターを見終えたあと、2ヵ所(地域の人たちが集う場)に立ち寄りました。そこでは、地元の皆さんからいろいろな話を聞くことができました。

 小高交流センターは2019年1月26日オープンです。総事業費は約17億円、国の復興予算が充てられました。延べ床面積は約1900平方メートルです。しかし、当初計画はこの倍近い面積でした。総事業費も30億円でした。計画が地元住民に示されますと、「そんなに大きいのは要らない」という声が挙がり、計画は縮小されました。
 それでも地元の人たちは冷ややかな目で見ていることがわかりました。年間の維持費は数千万円だそうです。交流の場としては、すでに“小高浮舟ふれあい広場”や“おだかぷらっとほーむ”などがありますし、このほか、いくつかあるカフェも交流の場です。フルハウスもあります。
 小高交流センターが今後どのような方向に進むのか「しばらくは見極める」という声もありました。南相馬市では、指定管理者を公募したり、将来は民間委託を見据えているそうですが、思惑どおりになるのか、心配する声もあります。
 箱物で苦しむ自治体の話はよく聞くだけに、私も注視したいと思います。

 「小高は落ち着いてきた」という話を聞きました。
 小高に住む人は現在約3,000人です。震災前の約1/4です。「落ち着いた」とは、約3,000人からあまり増えないだろうという意味です。そういう意味でも小高交流センターの維持運営を心配する声があります。更地が目に付く状態も続きそうです。
 「落ち着いた」にはもう1つの意味があります。小高での復興工事のピークは過ぎ、作業員の大半は南へ、つまり浪江町へ移動したのです。
 まさにそのとおりです。浪江町と小高では、まったく雰囲気が違います。
 原町区の話ですが、「居酒屋は予約しないと入れない」とか「コンビニではレジ待ち」ということでしたが、それも今では過去の話です。

  

 複雑な思いで、駅前通りに戻ります。
 上の写真左で、奥が小高駅、左端が小高交流センターです。右側には小高浮舟ふれあい広場前の桜が見えます。上の写真右が小高浮舟ふれあい広場、下の写真左は小高浮舟ふれあい広場前の桜です。澄んだ青い空をバックに、きれいに咲いています。

  

 上の写真は小高ストアです。2018年12月6日オープンです。公設民営の商業施設です。外見は立派なスーパーですが、品揃えは・・・です。仕方がないでのしょう。次々にお客さんは入ってきます。近くて便利になったことは間違いなしです。ただ、小高の人は「買い物は原町区や浪江町へ行く人が多いです」という話を聞きますと、運営は大変かと思われます。地元の人たちが言うように、値段も高めに感じます。

 南相馬市原町区へ移動します。
 夜の森公園(南相馬市原町区三島町1丁目)をご紹介します。

  

 何度も訪問している南相馬市ですが、夜の森公園は初めてです。桜の名所であり、市民の憩いの場でもあるそうです。

  

 公園内には遊具(上の写真右)が設置され、多くの子どもたちが遊んでいました。ここの放射線量は、モニタリングポストでは 0.07〜0.12μSv/h です。3月下旬には一時的に0.16μSv/h になったことがあります。

  

 公園内では澄んだ青空の下、鯉のぼりが元気に泳いでいました。

  

 公園はさくらまつりが開催されており、夜はライトアップが行われています。

 最後は雲雀ヶ原祭場地(相馬野馬追の2日目〈甲冑競馬・神旗争奪戦〉会場:南相馬市原町区橋本町4丁目)周囲の桜です。こちらも満開です。

  

 好天に恵まれ、満開の桜は堪能できましたが、複雑な思いも抱きました。
 工事関係者の拠点となった浪江、小高区の激変ぶり、小高交流センターの先行き、夜の森公園で遊ぶ子どもたち・・・。
 本当の意味での復興は、まだまだ先のことに感じました。

 

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