おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2019年12月21日(土曜日晴れ浮かぶ 午後3時頃から曇り 夕方から時々小雨 夜遅く

【クリスマス・コンサート】
 バロック・フルート、グレゴリオ聖歌、キャロルと朗読による“クリスマス・コンサート 2019”(主催:米沢フルート音楽研究会)が米沢市内(米沢聖ヨハネ教会礼拝堂)にて開かれました。(チラシのイメージ映像
 米沢フルート音楽研究会を主宰する勝俣敬二さん(米沢市出身のフルート奏者)のコンサートや米沢フルート音楽研究会の演奏会は何度も聴いていますが、教会で聴くのは今回が初めてです。キリスト教徒ではない私にとって、教会は少し敷居の高さを感じていました。ゴスペルに親しんでいる方々との交流もありますが、それでも教会との縁はほとんどありませんでした。
 それが今回は、勝俣さんからの情報で、なぜか「聴きに行こう」と思いました。自分でもよくわかりませんが、教会という場所での「勝俣さんとその仲間の皆さん(とあえて申し上げます)によるコンサート」というイメージが強かったからでしょうか。クリスマス音楽に興味を持つ私です。グレゴリオ聖歌はクリスマス音楽のひとつの原点、という思いも「聴きに行こう」となりました。

 イメージ映像は、雪の中の教会でしたが、きょうの米沢は積雪0cmです。クリスマス直前という雰囲気はありません。雪かきする必要はありませんので、とても楽ですが、米沢の冬のイメージには程遠い風景です。ある意味、予想外の状況と言えます。
 だからでしょうか。コンサートでは予想外の出来事(ハプニング)が起こりました。演奏中もハプニングはありましたが、なんと言っても、演奏者の中に風邪などでキャンセルした人が複数出てしまったことです。勝俣さん自身も風邪をひかれたそうで、前日のリハーサルは本人いわく「満身創痍で臨んだ」そうです。特に心配になったのは、朗読をする予定だったOさんの体調です。

 コンサートでは、朗読をオルガンのmomoRocaさんが代役を務めました。momoRocaさんのプロフィールを見ますと、鍵盤(キーボード)奏者のほかに、歌手、朗読家、ラジオパーソナリティとなっていました。当然気になったのはラジオパーソナリティです。コンサート後の懇親会で本人にお聞きすることができました。
 千葉県八千代市に“FMふくろう”というコミュニティ放送局があります。momoRocaさんは毎週木曜日の夜22時00分から22時30分までの30分間“momoRocaの SWING音絵本”という番組に出演しています。番組は「ジャンゴ・ラインハルト (Django Reinhardt)」をキーワードにしています。ベルギー出身のジャズ・ギタリストです。きょう(12月21日)のコンサートでお聴きしたオルガン演奏とはかけ離れたイメージですが、そこは音楽の力です。ジャズ、特にスウィングする音楽が大好きなmomoRocaさん。まずは番組を聴いてみることにします。インターネットでは現在、12月放送の番組宣伝を聴くことができます。

  

 そのmomoRocaさんが弾いていたオルガンが上の写真右です。上の写真左では左側に写っています。勝俣さんによりますと、昭和30年頃につくられたヤマハ製の足踏み式オルガンです。音は素朴でしたが、懸命に足踏みしながらの演奏に、音楽を創り出す大変さも感じました。加えて、朗読との二役です。momoRocaさんの幅広い活躍ぶりにも脱帽です。これが人と人との輪の広がりにつながります。

 前日のリハーサルと言えば、昨日(12月20日)はNHKのラジオに勝俣さんが登場しました。番組は毎週金曜日の昼に、NHKラジオ第一放送で、山形県内だけに放送されているものです。私は時々聴く番組です。だから番組の雰囲気は知っています。方言(山形弁)満載の番組です。
 番組の雰囲気とは程遠いフルートやグレゴリオ聖歌、そして勝俣さんの登場に、かなり驚いた私です。それでも、ラジオを聴いたという人が、コンサートのチケットを予約したとのことです。
 私が「聴きました」と言いますと、勝俣さんは大きな声で「聴いた人、いたんだ〜」。
 なお、番組は12月24日(火曜日)からの1週間、らじる☆らじるの聴き逃しで、全国のどこからでも聴くことができます。

 午後3時からのコンサートには、30人ほどが集いました。
 コンサートは、momoRocaさんの朗読を挟みながら、勝俣さんら4人によるグレゴリオ聖歌、勝俣さんと名須川さんによるバロック・フルート演奏、そしてキャロルへと続きました。
 コンサートが始まって、私はしばらく悩むことになります。教会の中では、適度な残響があり、余韻に浸るというイメージがあったからです。しかし、現実には残響はなく、音がリアルに響きます。それがやがて時間とともに理解できるようになります。
 この教会の建物は、1930年(昭和5年)に建てられました。木造建築です。つまり、教会と言っても、日本の建物なのです。教会やオルガンは、昭和の時代に建てられたり、つくられたりしたのです。教会では中に入る歳、外履きは脱ぎ、内履きに履き替えました(スリッパを履きました)。これって、まさに日本式です。
 すなわち、昭和の時代を感じながら、西洋音楽・教会音楽を楽しんだのです。ある意味、不思議な空間です。

 コンサート後の懇親会にも参加しました。懇親会は30分程度が1時間30分ほどになりました。それだけ熱く語った人がいたからです。それは教会内とは思えない楽しい雰囲気です。宮城県山元町の教会に関係する方もいました。場所は亘理町寄りで海岸から約1kmです。修復することで、移転することはありませんでした。
 名須川さん(大学の教授)や山中さんも、このコンサートのために首都圏から米沢に来られました。勝俣さんの人脈の広さです。本人、中にはどこで出会ったのかわからなくなった人もいたようですが、それだけ多くの人たちと交流しているのでしょう。

 振り返って、勝俣さんの機転を利かせた対応にも感心しました。
 静かに音楽を聴くコンサートでしたが、いろんなことがありました。

 

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