だがしや楽校・ひとりごとダイアリー
だがしや楽校プラスいろいろ @ 第121回山王ナイトバザール
2014年5月17日(土曜日)鶴岡夜の天気:曇り時々雨
【だがしや楽校プラスいろいろ @ 第121回山王ナイトバザール】
“山王ナイトバザール”と“鶴岡市子どもまつり”を取材するために、鶴岡市に足を伸ばしました。その年の1回目となる5月の“山王ナイトバザール”と“鶴岡市子どもまつり”は、2006年以来毎年のように取材・参加してきましたが、昨年(2013年)は私が福島県天栄村へ赴いたことで、ついに途切れてしまいました。というわけで、今回は2年ぶりです。
いつの間にか5月の“山王ナイトバザール”と“鶴岡市子どもまつり”を見ないと気が済まなくなった私です。それで、日中は山形市での“チャリティーコンサート&だがしや楽校”の取材対応で、スケジュール的にはややきつかったのですが、それでも鶴岡へ足を伸ばしました。
その“チャリティーコンサート&だがしや楽校”ですが、17分ほど押してしまい、私は内心ハラハラドキドキです。
山形から鶴岡への移動も、ちょっと大変でした。月山道では雨風が強かったからです。雪にはなりませんでしたが、冬に逆戻りのような天気です。“山王ナイトバザール”イベントですので、鶴岡市内の天気も心配です。低くなった気温も心配です。
月山道を下り、庄内平野に入りますと、雨はやみましたが、上空はどんより曇っており、気温も低そうです。
やっとの思いで鶴岡に到着です。鶴岡は昨年(2013年)の10月以来です。
“山王ナイトバザール”が開かれている山王商店街に入ったのは午後6時40分頃です。
“だがしや楽校”仲間でもあり、NPO仲間でもある阿部さんと再開です。阿部さんとじかに会うのも今年初めてです。昨年10月は改築中だった阿部さんのお店(阿部久書店)。今ではその改築工事も終わりました。生まれ変わったお店を拝見するのも初めてです。
**********
阿部さんは、はじめに山王商店街のお店のひとつ“ワタトミ”(和装洋装:衣装品の店)に入ります。さらに店舗の奥に進み、通路に入ります。奥に進んだところで、中から声が聞こえます。阿部さんが「山口さんですよ」と言います。
中に入りますと、横山結花さん・結城ななせさん、それに東北芸術工科大学の学生さん3人がおられました。皆さんとは、昨年10月の“山王こどもバザール&大学生交流会”以来の再会です。
“だがしや楽校”仲間のひとりで、昨年3月に東北芸術工科大学・大学院を修了した結城さん。昨年4月からはNPO法人“公益のふるさと創り鶴岡”のスタッフとして“やまがたこどもアトリエ”などの活動を行ってきました。
そして、この春からは、横山さんと共に、山王まちづくり株式会社(代表取締役は私もお世話になっている三浦新さんです)のスタッフとして活動しています。そこで取り組んでいるのが“街なか交流促進事業:コミュニティスペース『みちくさ舎』”です。阿部さんが案内してくれたのが、この『みちくさ舎』だったのです。
街なか交流促進事業は山形県の事業で緊急雇用創出事業のひとつです。県から受託したのは山王まちづくり株式会社です。この事業は、中心商店街でのにぎわいを創出することを目的に、商店街の空き店舗や空きスペースなどを活用し、みんなが集えるコミュニティースペースなどを開設するというものです。
山王まちづくり株式会社では、服屋“ワタトミ”店舗の奥にある空きスペースを活用することにしました。“ワタトミ”の渡辺四郎さんの協力を得ることができ、事業を開始したのでした。
このスペースは、大正時代(1921年)に蔵として建てられたものですが、最近は倉庫になっていたそうです。2階建てです。延べ床面積は約100平方メートルです。
阿部さんは2階に案内します。昔ながらの急な階段を上ります。「頭がぶつからないように気を付けてください」と注意を促されます。
2階は結構広いです。テーブルもあります。どういうわけかハンモックもあります。子どもたちが遊べそうなものもあります。これなら、チラシに書いてある「仕事や読書」「仕事の打ち合わせ」「ワークショップ」「勉強会や絵本の読み聞かせの練習会」「仕事はイベントの企画会議」「コンサートや発表会」「手づくり小物発表会」など、いろんなことに使えそうです。
私が見学していますと、地元の人でしょうか、数人が見学に来られ、興味深そうに見たり、阿部さんに尋ねていました。
1階に戻ります。
壁には閲覧用の絵本や雑誌などが入っている本棚があり、ブックカフェの雰囲気を醸し出しています。
また、ゆっくりとお茶飲みができるスペースもあります。「お茶飲みサロン」としても活用していただきたいという思いもあります。
店舗の奥にあることから、あえて“ひみつ基地的コミュニティスペース”としているところがおもしろいです。
場所はワタトミうしろ蔵、駐車場は2台、備え付けのお茶・珈琲はフリーです。ただ、維持費として「1人1回の利用につき100円の協力金をお願いします」としています。
オープン時間は火曜日〜土曜日の12時(正午)から午後6時です。それでも「オープン時間外にご利用になりたい場合はお申し出ください」として、相談に応じるそうです。
『みちくさ舎』では「お家に眠っている椅子やソファー、机や本棚、閲覧用の雑誌や絵本や文庫などスペースのために提供していただける方を募集しています」とのことです。
『みちくさ舎』では、子どもたちに創造的で豊かな放課後の時間を提供することを目的にした“やまがたこどもアトリエ”や地域の企業や団体と協力して行っている“アフタースクール”などの活動も継続して行っています。
また「家庭や学校以外での生き生きと過ごせる多様性のある居場所づくりを目指していきます」としているように、学校に行けない子どもたちの“フリースペース”としての活用も視野に入れています。
『みちくさ舎』は「街中で集う・街中で出会う・街中でつながる」をキーワードに活動していくそうです。
さて、この『みちくさ舎』ですが、きょうがまさにオープン初日です。それで、オープニングイベントとして“植物の毛玉づくり”が行われていました。東北芸術工科大学の学生さん3人は、この応援のため、鶴岡に駆け付けていたのです。
一通り拝見して感じたのは、まさにアイディア次第であり、企画力・発想力が問われる事業であることです。結城さんたちには、私にはない豊かな創造力があります。独特の発想力もあります。だから、おおいに期待できる事業ではないかと思います。
緊急雇用創出事業の本来の目的は、山形県との委託・受託期間が終わっても、その事業を継続することです。横山さん・結城さんには、このことを肝に銘じて、事業を進めていただきたいと思いました。
**********
阿部さんは、私と談義する時間を設けてくださいました。
阿部さんの鋭い勘には脱帽です。今回の鶴岡訪問の目的のひとつに、阿部さんとNPOに関する情報交換・意見交換があったからです。談義では、最近のNPO界の動きについて、阿部さんと私が、それぞれ気になっていることについて紹介しながら、今後の取り組み方を話し合いました。
ここで出し合った気になることとは、資金を確保したいがために、そのNPOの本来の趣旨・目的を逸脱した事業を請け負っているNPOが多いのではないか、特に復興支援では・・・ということです。
**********
阿部さんとの談義が終わりました。時刻は午後7時25分です。
ここから、ようやく山王ナイトバザールの取材です。
今回で第121回の山王ナイトバザールです。
外はやや肌寒いです。時より小雨も降ります。地元の人も「5月の山王ナイトバザールで雨が降ったのは初めてではないか」と言っています。本当にめずらしいことです。
それで地元の人は「いつもより人出は少なく感じます」と言います。でも、私には、いつものような大勢の人出に見えました。
フリーマーケットの一角では、ストリート・コンサートが行われています。(上の写真左)
飲食ブース(テント村)もたくさんの人たちでにぎわっています。(上の写真右)
“だがしや楽校”に行ってみましょう。
バルーンアートパフォーマンス 紙芝居
今夜のおみせは、創作紙芝居劇団“だだちゃ豆”中村さんの紙芝居、長井市からやって来たという“たけさん”のバルーンアートパフォーマンス、鶴岡工業高等専門学校によるお馴染み“人工イクラ”、山形大学の学生さんによる“プヨプヨ芳香剤”、それに同じく山形大学の学生さんによるビンゴゲームです。
人工イクラ プヨプヨ芳香剤 ビンゴゲーム
楽しくしている子どもたちの様子を見ている内、午後8時を過ぎたところで、雨が降ってきました。肌寒さも続きます。とうとう私も耐えられなくなり、阿部久書店に避難です。
店舗の改築が完了した阿部久書店です。木の感じが漂い、シックな雰囲気です。店舗は広く感じます。コミュニティスペースもあり、お茶飲みもできます。バリスタが設置されました。レジ周囲もユニークなデザインです。窓口風で、周りにはたくさんの本が詰まっている本棚です。
そして、何より、店舗と奥の日本間との間にあった壁が取っ払われたことが目立ちます。日本間では5人によるジャズ演奏です。『書店とジャズ』・・・なかなか見られない光景です。
5人のジャズマンたち。“アランフェス協奏曲”という難しい曲にチャレンジする意欲的な演奏です。演奏にさらに磨きがかかることを期待します。
**********
これまでは“だがしや楽校”を中心にした“山王ナイトバザール”取材でしたが、きょうはいろんなものを見学したり、阿部さんと談義できたりして、有意義な時間を過ごすことができました。
午後10時すぎ、スタッフのための慰労会が、山王商店街・事務所2階で始まりました。参加者の大半は、ボランティアで参加してくれた山形大学の学生さん約30人です。今や学生さんあっての“山王ナイトバザール”です。
学生さんの大半が女性だったことも注目です。これからの市民活動・ボランティア活動・NPO活動を考える大きなヒントです。これも大きな学びのひとつです。
HOME |