おきたまラジオNPOセンター・ひとりごとダイアリー

 

2022年11月26日(土曜日晴れ浮かぶ 夜

【古民家コンサート】
 MINAMIHARA 古民家コンサート Vol.11 が米沢市南原猪苗代町にある里乃音にて開かれました。チラシの、会場で配布のプログラムノートです。

 古民家コンサートは米沢市に移住して6年になるピアニストの福田直樹さんが毎年5月と11月、ご自宅である里乃音にて開いているコンサートです。ご自宅が藁葺き屋根の古民家ということで、古民家コンサートと題しています。

 今回の古民家コンサートは、書道家の甘木龍史さんとのコラボということで、私も楽しみにしていました。なぜなら、甘木さんとは10月1日の“置賜子どもアートイベント”でお会いしていますが、甘木さんの書道パフォーマンスを拝見するのは(おそらく)7年ぶりだからです。当時は遠山町で開かれたメロメロパンチ以来です。

 共演したのは、ハンガリー生まれの作曲家、バルトーク・ベーラ(1881年3月25日 - 1945年9月26日)が1926年に発表したピアノ・ソナタの第1楽章と、同じ年に発表した“戸外にて”より4曲目の“夜の音楽”と5曲目の“ハンティング:狩”です。

  

 書道パフォーマンスの様子は写真撮影可でしたので、ご紹介します。作品に関連する言葉が綴られます。左側の障子には塗ったところに言葉が浮き出ます。「輝」は福田さんからのリクエストです。

  

 私(山口)は、ここに綴られた言葉のひとつひとつを時間をかけて噛みしめたいと思います。それは地球上(世界)で起こっていること、そして身近で起こっていることを考え、自分ができることで行動につなげられれば・・という思いからです。素晴らしい共演でした。
 前日にはリハーサルは行ったそうですが、2人のタイミングを合わせるのに少々苦労されたそうです。福田さんは甘木さんに背を向けて演奏するため「残念なのは甘木さんのパフォーマンスを見ることができないことです」と言っていました。
 それにしても、大きな半紙を設置するだけでも大変だったことは容易に想像できます。お見事でした。右の写真は、甘木さんと私(山口)です。甘木さんの娘さんに撮影してもらいました。

 セルゲイ・プロコフィエフ(1891年4月27日 - 1953年3月5日)はロシアの作曲家・ピアニスト・指揮者ですが、生まれたのは現在のウクライナです。当時はロシア帝国の支配下でした。亡くなったのはソヴィエト連邦となったモスクワです。ピアノソナタ第8番は1944年の作品です。
 サミュエル・バーバー1910年3月9日 - 1981年1月23日)はアメリカの作曲家です。ピアノ・ソナタ 変ホ短調 Op.26 は1949年発表の作品です。
 3つの作品について福田さんは「米沢(のこの地)で演奏することは、きょう(11月26日)だけかもしれません」と言っていました。福田さんによると、3つの作品は演奏中、何が起こってるかわからないような作品だそうです。それは戦争が大きく影響しています。
 特にプロコフィエフを演奏するか、悩んだそうです。ロシアの作曲家と言われるからです。それは私のモデスト・ムソルグスキーに対する思いに近いかもしれません。ただ、プロコフィエフがソヴィエト連邦当局から監視されていたのに対し、ムソルグスキーは異なっていたと思われます。そのムソルグスキーは“展覧会の絵”で“キエフ(キーウ)の大門”を書いています。
 芸術と戦争・・それが古民家コンサートのテーマだったのかもしれません。
 アンコールで演奏されたクロード・ドビュッシー(1862年8月22日 - 1918年3月25日)の“月の光”にホッとした雰囲気が漂いました。

 

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